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先輩たちの声
英語教育のプロフェッショナルを目指して

水野 麻子【令和元年度入学】

令和元年度入学

私は,現職の教員として約10年働いたところで,勤務校の校長先生から大学院研修に推薦していただき,1年間,出勤する代わりに毎日広島大学に通うことになりました。忙しい教員生活の中で,ひたすらにアウトプットを続け,自分自身が次第に磨り減っているような感覚に襲われていた私にとって,大学院での生活は夢のようでした。1分1秒も無駄にせず,得られるだけのものを得ようと決めて,大学院生活を堪能しました。

文学部出身で教員になった私は,教育学を系統立てて学んでいないことにどこか引け目のようなものを感じており,英語教育の分野において,日本で屈指の歴史と実績を誇る広島大学で勉強し直せたことは素晴らしい経験でした。教英の先生方は,どなたも底が見えない程知識が豊富であるだけでなく,ご自身の専門分野への愛があふれる授業で,そこがとても魅力的でした。久しぶりに「生徒」の立場になり,授業者の圧倒的な知識量や,自分の教科への傾倒ぶりが伝わることは,教育において大切な要素だと再認識しました。

一度社会人になった後で大学院に行って良かったことは,勉強できることの有難みをよりしっかりと感じられることではないかと思います。取れる限り多くの授業を取り,(可能ならば単位にならなくても聴講を申し込み),毎日学内用のHPをチェックして,英語に関係のある課外活動も片っ端から申し込みました。様々な検定試験を無料(または安価)で受けられたり,夕方に英語講座があったり,オンラインコースを無料で受けられたり,高度な英語運用能力を身に付けるための仕掛けが広大にはたくさんありました。

教員になったばかりの頃は,経験を積めば勝手に授業が上手くなるのだろうと思っていました。しかし,「慣れる」ことはあっても,自分が理想としている「本当の英語教育のプロフェッショナル」には,経験だけではなれないのだと,気づき始めていたところでの大学院生活。様々な年齢や国籍の仲間たちと日々議論を重ねながら,多くのものを得ることができました。

現在はせわしない教員生活に戻っていますが,広島大学大学院で学んだこと,研究したことは,確実に日々の教員生活における考え方に大きく影響を及ぼしました。今後も,いつか自分の理想の「英語教育のプロフェッショナル」になれる日まで,教英で学んだことを糧に自己研鑽を続けていきます。(2023年3月執筆)