教英で目指せる仕事。他方面で活躍できる人材育成。
過去数年間の卒業生の進路状況です。多くの卒業生が中学校・高等学校の英語教員として教育現場で活躍しています。教職への就職率は、全国の教員養成大学(学部)の中でも高い割合になっています。
また、教職以外の道も開かれており、公務員や一般企業に進む人もいます。大学院に進み、英語教育の研究を深める人、海外の大学・大学院に留学する人など、卒業後の進路は多岐にわたっています。
中学校教諭【英語】 / 高等学校教諭【英語】 / 小学校教諭 / 公務員 / 事務職 / 金融・保険業 /
観光業 / 卸売業 /情報通信業 / 報道関係 / 出版業 / 塾・英会話学校
多角的な学びを通じて、専門性を身につけた卒業生たち。大学での学びがキャリアにどう活かされているのか。社会の第一線で活躍する先輩たちの声をご紹介します。
教員はもちろん、一般企業においても英語を活かして活躍している先輩も多数います。
大学院修了後の進路では、博士課程前期を修了し、所定の単位を取得して専修免許状(中・高等学校教諭、英語)を得た後、高度な知識を備えた教員として活躍する道が開かれています。
私は数年前に教英を卒業し、それ以来某県の高校で英語を教えています。
仕事においてはまだまだ素人ですが、これまでの教師経験の中で大学時代の経験が様々なところで活かされていると感じています。
まず、仕事のメインである授業について。残念ながら大学で教わった教育理論や言語学の内容を公立高校の授業で活かせる力量はまだないのですが、教職系の授業や教育実習で教わった授業の導入テクニックや、効果的な学習法などは、今も試行錯誤を重ねて自分の授業に取り入れています。もちろんうまくいかないことも多いですが、色んなことを授業で実践するうちに学習効果がある活動や、集中力が長持ちする指導方法が少しずつ分かってきました。これらすべて、教英で受けた授業や実習経験が役に立っています。
また、教英の授業や実習では常に中学、高校両方の視点がありました。高校教員を目指す人は、中学の内容は自分には関係ないと思うかもしれませんが、多くの公立高校での授業は中学英語のおさらいとなります。それだけ中学英語は難しく、時間をかけなければならないものだと言えます。私の場合、教育実習や大学の授業で、不定詞や比較級の指導に取り組んだ記憶がありますが、その経験は今の職場で大いに活きています。
私は2020年にこの英語文化系コースを卒業し、現在高校で働いています。実際に現場で働いてみると、失敗や反省も多いですが、教英での学びが役に立っていると感じる場面が多くあります。教英では、教職と英語の両方を専門的に学ぶことができます。様々な分野を専門とされている先生方がいらっしゃるので、英語の教師になるために必要な知識を幅広く、且つ深く身につけられます。また教育実習や模擬授業などの、学んだ知識を実践的に使う機会もあり、着実に力を身につけることができるカリキュラムが組まれています。私は現職の英語教師に向けた様々な研修を受けてきましたが、大学の講義で教わった内容と被ることも多々あり、大学でいかに現場で必要とされる知識や最新の教育について学べていたのかということを実感しました。また、進学校に勤めているということもあり、大学で学んだ専門的な英語の知識が役に立った場面も多くあります。学習面だけでなく、教英は学生同士のつながりが強いため、同学年だけでなく先輩や後輩とかかわる機会が頻繁にあります。行事を通して絆を深めたり、教育実習や就職活動など大変なときは支えあったり、時には切磋琢磨してお互いを高め合ったりする中で、一生の仲間を作ることができます。この学部で4年間学ぶことができたことは、自分にとって財産になっています。今後もここでの学びを活かして、生徒の教育に携わっていきたいです。
教英は、好き・得意な英語を仕事にすることを、向上心あふれる仲間と共にめざすのに最適な場です。
私は現在、飲料メーカーの法務部で働いています。契約書審査、知財相談、及び法律相談が主な仕事です。教英の卒業・修了生のほとんどは、教員の道に進みます。他方、毎年数名ですが、私のように企業に就職する道を選ぶ人もいます。それは、教英のプログラム(各講義、留学、学科行事、教育実習など)を通じて、「英語を『教える』スキル」「英語を『使う』スキル」の両方をたんまりと鍛えられるためだと思います(もちろん教育学部なので、教職教養を学べることは大前提ですが)。
さて、私は門外漢の法学を主とする仕事に就いていますが、教英の生活で得た知識・スキル及び価値観(貪欲に学び続ける姿勢、遊び心)を生かす場面は多々あります。たとえば、私の勤務先は海外子会社を持っているので、英文契約書を審査することがあります。膨大なページ数の契約書の和訳作業とリーガルチェックを行うときは、教英で難読難解な英語に触れた日々を思い出しながら挑みます。
勉強だけでなく、遊びも全力で楽しむ風土が根付いていることも教英の魅力です。私は、何事にも真剣かつ遊び心をもって取り組む仲間に出会えました。仕事は常に成果を求められるので、変に全力疾走すれば息が詰まります。遊び心をもって仕事に取り組めるのは、教英生活で得た価値観が大きく影響していると強く感じます。
私は、教英の学部卒業後、大学院に入学と同時に休学し、2年間私立中高で非常勤講師として勤務しました。休学中の教壇経験で、生徒のつまずきを目の当たりにする中で、自分の行っている授業が本当にそのつまずきを解消する手助けとなっているのか自信が持てず、より良い教育活動を行うには学問として広く英語教育を捉え直す必要があると考え復学しました。
本大学院での研究分野は、教授法、評価論、第二言語習得、教材開発を中心とした「方法学」、そして応用言語学、文学、教育哲学を中心とした「内容学」の2つに大別されます。私は内容学のゼミで、言語学と言語習得の観点から英語教科書を分析する研究を行いました。
授業では、以上に述べた様々な研究分野を専門とする先生方に直接教えを請うことができ、同世代の学生から現職の先生、留学生など様々な背景を持つ学生たちと対話をする中でその学びを深めることができました。勉強不足を感じた分野については、学部1年生に混ざって一番前の席で授業を受けることもしました。さらに、他専攻の学生との対話をする授業もあります。「〇〇科は何のためにあるの?」など率直な意見を交わす機会は私にとって新鮮で、教科として外国語科を見つめ直すきっかけとなりました。
そんな中、私が最も印象深い授業は、英語教育学特別研究(通称「特研」)です。特研とは、研究分野が近い先生方と院生による合同ゼミです。私が所属していた内容学の特研では、1回の授業で院生2人程度が研究の進捗を報告し、皆さんから質問やコメントをもらうという形式をとっていました。普段一人で行う研究活動は、出口が見えないため毎日一人考えあぐねて苦しいこともありましたが、特研の場ではその場の全員が自分のこととして発表者の研究について真剣に考えてくれます。特研の場でのコメントを受けて、自身の研究が大きく前に進みましたし、他の院生の研究について知ることができたのも、私にとっては大きな成果であったと思います。
以上に述べた大学院での授業や一連の研究活動を通して、大学院復学前に感じていた生徒のつまずきの原因の一つがわかったような気がします。それは、教師が授業の中身について知りすぎていることです。一度習得した知識や技能を意識的に捨てること(unlearning)は容易ではありません。しかし、教師が知り得た知識や技能をトップダウン式に生徒に伝えるのではなく、生徒とともにボトムアップ式に再構築する(reconstruction)過程こそ、授業において大事であると今では思います。大学院での学びは、私がそのような “unlearning-reconstruction” のプロセスを踏む手助けしてくれました。
現在、私は中高一貫校で勤務しています。大学院での学びを経て、以前よりメタ的な視点で自身の授業を捉えることができるようになりました。もちろん、予想していた通りにはいかないことも多くありますし、ひょっとしたら大学院に復学する前よりも授業づくりに苦労するようになったかもしれません。それは、学びによって考える観点が増え、今まで何も疑問に思わなかったことを疑うようになったためです。そのおかげで日々の授業とその反省の中で私自身の成長、そして生徒の成長を実感できるようになりました。
英語教育研究は机上のみで完結しません。先人たちの研究、自身の研究が生徒に還元される喜びが、そこにはあります。例えそれが即効性のある研究、理論でなかったとしても、長い目で見れば、それにより教師の授業が変容し、生徒の学びへと繋がっているはずです。そのような研究活動を行うための豊かな土壌が、教英の大学院には整っていると、自信を持ってお勧めします。
みなさん、こんにちは。
わたしは教英の学部そして大学院で英語や英語教育について学び、現在は広島市の中学校の教諭として働いています。今回は、大学院での経験が教員になってどう活かされているかをメインにお伝えしたいと思います。
大学院(博士課程前期)では2年間で修士論文を完成させるため、合同ゼミにて週に一回交代で自分の研究について発表をします。自分が発表をしてアドバイスをいただくことだけでなく、ほかの人の発表を聞くことはとても勉強になりました。言うなれば、毎週その分野の専門家の講義が聞けるようなものです。わたしの友人の中には「発問」や「コミュニケーション・ストラテジー」などについて研究をしている人がいましたが、今わたしが授業で長文の問題でどんな発問をつくろうか考えたり、スピーキングの活動を指導したりするときには、彼女たちの研究を思い出し、その知見を活用させてもらうことが何度もあります。
そして大学院では、授業の一環として様々な学校の研究授業に行ったり、何人もの先生の小中高の授業実践をビデオで見て検討をしたり、外部の先生をお招きして最新の英語教育について講義を受けたり、少人数ならではのきめ細かい指導を受けることができます。「翻訳機がどんどん発達したら、英語教育にできることは何なのか」といったまさに今考えるべきテーマについて、大学院時代に仲間と話したり、講義を受けたりすることができたのは、現在授業づくりにおいて非常に役に立っています。
また、大学院では何か考えを示すときに「その根拠はどこから来ているのか」ということをとても大切にします。英語教育は、今まさに変動の時代です。「こういう方法が望ましい」と様々なやり方を聞きますが、それをそのまま鵜呑みにするのではく、いったん止まって、「その背景はなんだろう」「論文を見て確認してみよう」と思えるようになったのは大学院での学びのおかげです。自分にできる範囲で「理論と実践」をつないでいきたいですし、一つ一つの指導に意味と根拠をもたせていきたいです。
教員になってから、これまで想像もしていなかったような課題にたくさん直面していますし、自分の未熟さに落ち込むことも数えきれないほどありました。それでも、大学院で得た学びや考え方、そして苦楽を共にした仲間が今の自分を支えてくれています。ぜひ教英の大学院で、英語のこと、そして英語教育について学びませんか?OGとして、みなさんのことをお待ちしております。
卒業して19年後、再び大学で学ぶとは想像もしていませんでした。学生時代は効率的に卒業単位を取得することばかり考えていたのに…。小学校教員として経験を積み、落ち着いてきた中で、新しいことを学びたいという欲求が湧いてくるものなのかと。
小学校で外国語が教科化される2020年に向け、改めて英語教育を学びたく学生時代にお世話になった教授を訪ねました。20年以上ぶりの受験勉強、研究計画の作成、講義の予習や課題には戸惑いました。しかし、経験豊富な教授陣や院生仲間たちに恵まれ次第に慣れていきました。講義は20年前とは違い、学生が意見を交流するスタイルになっていました。若い学生たちとの意見交流は大変新鮮であり、多くのアイディアを得るきっかけとなりました。また、教育に対する新鮮な情熱を呼び起こしてくれました。何よりも新しいことを学べている日々に対しての喜びは何にも代えがたいものでした。大学では必修科目のほかに様々な講義を積極的に聴講しました。キャンパスでは教育学部に限らず多くの魅力的な講義が行われおり、視野を広げることができます。
現職教員大学院派遣制度では、1年目は休職し研究に専念できます。2年目は勤務しながら大学院修了を目指します。現場ですぐに実践し検証できることは現職教員の強みでしょう。
現在私は、小学校における英語教育推進役として広島大学で学んだことを広く現場に還元し人材育成に努めています。
修了年月 | 高専・短大・大学教職 | 中・高教職 | 公務員 | 一般企業 | 進学・留学 | その他 | 卒業生合計 | 進学・留学及び 教職に就いた人の割合 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2024年3月 | 0 | 17 | 0 | 4 | 2 | 1 | 24 | 79.1% |
2023年3月 | 0 | 14 | 1 | 5 | 1 | 3 | 24 | 62.5% |
2022年3月 | 0 | 18 | 0 | 2 | 4 | 0 | 24 | 91.7% |
2021年3月 | 0 | 13 | 0 | 11 | 3 | 1 | 28 | 57.1% |
2020年3月 | 0 | 8 | 2 | 10 | 3 | 1 | 24 | 45.8% |
2019年3月 | 0 | 17 | 1 | 8 | 2 | 1 | 29 | 65.5% |
2018年3月 | 0 | 15 | 0 | 10 | 3 | 0 | 28 | 64.3% |
2017年3月 | 0 | 15 | 0 | 4 | 7 | 0 | 26 | 84.6% |
2016年3月 | 0 | 11 | 0 | 8 | 3 | 4 | 26 | 53.8% |
2015年3月 | 0 | 17 | 0 | 8 | 3 | 1 | 29 | 69.0% |
2014年3月 | 0 | 14 | 1 | 7 | 5 | 1 | 28 | 67.9% |
2013年3月 | 0 | 13 | 0 | 5 | 10 | 0 | 28 | 82.1% |
2012年3月 | 0 | 19 | 0 | 4 | 4 | 0 | 27 | 85.2% |
2011年3月 | 0 | 16 | 1 | 2 | 8 | 0 | 27 | 88.9% |
2010年3月 | 1 | 16 | 0 | 3 | 7 | 1 | 28 | 82.1% |
2009年3月 | 0 | 7 | 2 | 2 | 11 | 6 | 28 | 64.3% |
2008年3月 | 0 | 13 | 1 | 7 | 3 | 2 | 26 | 61.5% |
2007年3月 | 0 | 11 | 0 | 8 | 8 | 2 | 29 | 65.5% |
2006年3月 | 0 | 13 | 0 | 7 | 4 | 3 | 27 | 63.0% |
2005年3月 | 0 | 14 | 1 | 6 | 10 | 4 | 35 | 68.6% |
2004年3月 | 0 | 14 | 0 | 4 | 8 | 1 | 27 | 81.5% |
修了年月 | 高専・短大・大学教職 | 中・高教職 | 公務員 | 一般企業 | 進学・留学 | その他 | 修了生合計 | 進学・留学及び 教職に就いた人の割合 |
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2024年3月 | 2 | 4 | 0 | 0 | 1 | 0 | 7 | 100.0% |
2023年3月 | 0 | 4 | 0 | 0 | 0 | 0 | 4 | 100.0% |
2022年3月 | 1 | 3 | 0 | 0 | 2 | 2 | 8 | 75.0% |
2021年3月 | 2 | 8 | 1 | 0 | 2 | 1 | 14 | 85.7% |
2020年3月 | 4 | 6 | 0 | 1 | 2 | 3 | 16 | 75.0% |
2019年3月 | 5 | 8 | 0 | 2 | 0 | 2 | 17 | 76.5% |
2018年3月 | 1 | 6 | 0 | 1 | 1 | 0 | 9 | 88.9% |
2017年3月 | 3 | 4 | 0 | 0 | 1 | 1 | 9 | 88.9% |
2016年3月 | 2 | 6 | 0 | 2 | 3 | 0 | 13 | 84.6% |
2015年3月 | 1 | 9 | 0 | 0 | 0 | 0 | 10 | 100% |
2014年3月 | 0 | 7 | 0 | 0 | 1 | 3 | 11 | 72.7% |
2013年3月 | 1 | 11 | 2 | 0 | 0 | 1 | 15 | 80.0% |
2012年3月 | 0 | 10 | 0 | 1 | 0 | 2 | 13 | 76.9% |
2011年3月 | 3 | 8 | 2 | 1 | 0 | 1 | 15 | 73.3% |
2010年3月 | 2 | 7 | 2 | 0 | 0 | 1 | 12 | 75.0% |
2009年3月 | 2 | 11 | 1 | 0 | 1 | 1 | 16 | 87.5% |
2008年3月 | 3 | 6 | 0 | 0 | 1 | 0 | 10 | 100.0% |
2007年3月 | 7 | 8 | 0 | 2 | 1 | 1 | 19 | 84.2% |
2006年3月 | 1 | 11 | 0 | 2 | 0 | 1 | 15 | 80.0% |
2005年3月 | 3 | 8 | 0 | 0 | 0 | 1 | 12 | 91.7% |
2004年3月 | 1 | 9 | 0 | 1 | 5 | 0 | 16 | 93.8% |
※「中・高教職」には小学校教諭・養護教諭なども含まれます。
※「その他」には上記以外の進路、不詳、自営業などが含まれます。
※「進学・留学」では広島大学の大学院へ進学された方がほとんどですが、広島大学の研究生・科目等履修生、専門学校、他大学の大学院なども含まれます。
※「公務員」には警察や市役所などの地方公務員が含まれます。
※国家公務員のうち大学関係は「大学教職」へ含まれます。
※「一般企業」には銀行、保険会社、旅行代理店、学習塾をはじめ様々な企業に就職された方が含まれます。