有水 結友実【平成30年度入学】
教英を卒業して1年。小学校教員としての初年度を終えようとしている時、寄稿依頼をいただきました。卒業後の1年間、これまでと全く環境の異なる生活に忙殺される中、学生時代を思い出すきっかけを頂き、自分が大切にすべきものを再認識することができました。
教育現場に出てから、教英で得た強みとして実感するものは「縁」です。同期との縁、先輩方との縁、先生方との縁、実習での縁、そしてコロナとの縁。
1学年の人数が少ないこともあり、同期と話す機会はたくさんありました。また、教英行事のおかげで先輩方や後輩ともたくさん繋がる機会がありました。いつでも温かく声をかけてくださった先輩方には頭が上がりません。出身地も違えば、これまで受けてきた教育も違い、考え方も違う。個性豊かな教英のみんなと何気なく話していた時間が、いつの間にか自分の視野を広げ、他者の受け止め方を変えてくれていました。今、担任として日々向き合い続ける目の前の子どもたちの多種多様な背景に心を馳せられるのは、きっと教英でたくさんの人と出会い、意見交換をしていたからだと思います。自分の教育観をさらけ出したり、共に学び合ったり、教英の醸し出す温かい雰囲気があるからこそ、英語教育のみならず、教員として必要な素質も伸ばすことができるのではないでしょうか。
また、私達は2年時の3月からコロナ禍となり、幹事学年としての教英行事が中止。部活動も思うようにできず、教育実習も期間短縮や時数減少など多くの制限を余儀なくされました。当時は例年通りにできていないことばかりに目がいき、教採への焦りや学生最後の思い出作りができない悔しさ、将来への不安など、悶々とした感情を抱いていたことを覚えています。しかし、現場に出てみればこの2年間も大きな強みとなっていました。会えないからこそ知ることができた、人との繋がりの大切さや集団における個の存在感。「できない」で終わらせるのではなく、できる形を見出す創造力。そして同じように苦しい学校生活を送っている子どもたちに寄り添う心。まだまだwithコロナが模索される教育現場において、学生としてコロナ禍を経験した自分の力を発揮する場所はたくさんありました。これは教英に限りませんが、自分が置かれている苦しい状況をただ不服とするか、それとも少しでも多くのものを自分の糧にしようとするかが、挫折と成長の分かれ目になると思います。常に成長に貪欲であれば、どんな環境でもプラスに変えることができるのではないでしょうか。
最後になりましたが、教英では英語教育について知識を深めることができるのはもちろん、子どもと真摯に向き合う教員になるために、「人として」成長できるチャンスがたくさんあります。自分の道標となってくれる先輩方や先生方もたくさんいます。自分の行きたい道を進むために、そしてその先で心から笑えるように、教英でぜひたくさんのことを学びとってください。(2023年5月執筆)