新美 徳康【令和4年度入学】
私は、他大学を卒業した後に、本学の大学院博士課程前期(英語教育学領域, 以下親しみを込めて「教英」と略します)に入学し修士(教育学)を取得しました。さらに続けて博士課程後期に進学し、計5年間本学の「教英」でコンピュータを活用した英語学力評価法の開発研究に取り組んできました。
■「教英」博士課程後期で英語教育研究を行うということ
「教英」博士課程後期には歴史と伝統があります。「教英」博士課程後期を修了し、全国各地で、大学教員として活用されている先輩方が多数おられます。博士研究に着手する際に、これまで先輩方が世に送り出してきた博士論文の研究テーマを見てみましたが、「教英」では、自身の興味関心に応じて多様な研究テーマが選択されており、様々なアプローチや研究手法を駆使して英語教育に関わる諸問題を理解したり解決したりする研究が大多数を占めています。それぞれの院生が追究する研究テーマが多様であるからこそ、自身の研究についてメタ的に捉えて英語教育学のどの部分を私は研究しようとしているのかを意識して研究が進められると思います。
「教英」博士課程後期を修了すると博士(教育学)を取得できます。これも「教英」博士課程後期の魅力の1つで、私の進学の動機の1つでもあります。他の大学院でも英語教育を研究できるところはありますが、取得学位は博士(言語学)や博士(学術)が多い印象で、博士(教育学)を取得できるところは意外と少ないと思います。博士論文を仕上げて、博士(教育学)の学位を申請するということは、教科教育に軸足を置いて、「英語教育学」という学問に新たな知識を生み出して成果を教育実践や社会に還元するような学術研究を行うことを意味すると思います。英語教育に関わる問題を特定して解決し、日本の生徒の英語学力向上に貢献する研究を行う教育研究者の仲間になっていただけたら嬉しいです。
■「教英」博士課程後期に進学・入学することを迷っているあなたへ
博士課程後期に関する情報はそれほど多くなく、進学・入学に不安を覚える方も多いと思います。研究は一筋縄ではいかないことも多く、時には研究することがつらいと感じることもあると思います。私も出だしこそ順調でしたが、結果が出せない時期や計画通りにいかず、焦りを感じたことがありました。しかし、研究というのは誰も知らないよく分かっていないことに取り組むわけですから、分からないけれど少しでもよりよく理解できたり解決できたりすることを目指して研究テーマについて向き合い続ける過程を楽しめたら十分だと思います。また結果も自然とついてくるでしょう。何か分かったときの喜びを大切にできたらきっと少し気持ちも楽になって最後はやり遂げることができると思います。この忙しい毎日で物事をじっくり時間をかけて考える機会を得られるというのは幸せなことです。
「教英」には、研究を進める上で、さまざまな選択肢が用意され、自分で選択できる環境が整っています。私自身は、博士課程後期1年目は、対面で特別研究(通称、特研いわゆるゼミ)に参加していましたが、2年目と3年目は東京で仕事をしながら研究することになったためにオンラインで特研に参加していました。また、論文指導や審査もオンラインで行いました。このように自身の事情に応じて柔軟に研究指導を受けることができるので、論文執筆と仕事を両立することも可能です。研究だけではなく他のさまざまな業務を並行して行う分大変ですが、自分で計画を立て、自分自身で考えて研究を進めていく力が養われます。研究を前に進めていく上でいくつかの通過ポイント(例えば、いつまでに研究計画を具体化するか、いつまでに実験や調査を行うのか、いつまでにどの雑誌に論文を投稿するのか、いつまでに論文審査を受けるのか、いつまでに博士論文の初校を書き上げるのかなどなど)があります。これらの通過ポイントは、指導教員の先生も気にかけていただけます。いきなり何百ページもの博士論文を書かないといけないと気負わずに、これらの通過ポイントでいろいろな人からフィードバックとフィードフォワードを受けて(あるいは自分から乞うて)、それを着実に自分の研究に反映させていけばきっとよりよい研究になり博士論文を完成させられると思います。
いつかこの文章を読んでいただいたあなたに、「教英」で学んだ一人としてお出会いできるのを楽しみにしています。(2025年2月執筆)