C.H.【令和元年度入学】
私は学部を卒業後、すぐに大学院へ進学をしました。学部卒業後、大学院に進学をしたい旨を最初に両親に伝えた際に、「早く働いた方がいいに決まっている」と猛反対されたのを覚えています。進学を決めた時点では、あの決断が本当に正しかったのかはわかりませんでしたが、あの決断は正しかったのだと、今なら胸を張って言うことができます。
自分の興味・関心のある事柄を、思う存分探究のできる大学院でのあの2年間がどれほど価値のあるものだったのか、現在教員として働いている私は身に染みて感じています。自分の知りたいこと、学びたいことを追求するだけの「時間」と「環境」は、何事にも代えがたいのです。教英では、研究をサポートしてくれる「環境」が非常に整っています。私の中での「環境」とは、建物や備品はもちろんのこと、所蔵されている本や論文、そして教授の先生方や、ともに学ぶ院生の仲間たちを意味しています。先生方からは、自分一人ではたどり着けなかった知見や、思いもよらなかった視点を授業の内外で得ることができます。また、そういった知見は、他の院生からも得ることができます。お互いの研究を深めるために、学年や研究領域の区別無く、互いに助け合い、学びあっていたように思います。このことは、自分の研究領域以外のことを学ぶ貴重な機会になっていました。そして現在、大学院で私自身が研究したこと、そして、他の院生が研究していたことなどを現場で実践しています。
何か選択をする際には、基本的には一つのことしか選択することはできません。二つの大学に同時に進学できないように、あるいは、進学か就職かのどちらかしか選べないように。そして、その選択が正しかったのかはその時点ではわからず、何か月、何年か後になってからわかるものだと思います。大学院に進学をする決断をすることは、同学年の人たちより就職が二年遅れるということを考えると、非常に勇気のいる決断だと思います。それでも勇気を出して、私は、本当に、本当に良かったです。(2023年3月執筆)