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先輩たちの声
他大学からの大学院進学を決めて

渕上 なな【平成29年度入学】

平成29年度入学

博士課程前期に所属している、渕上ななと申します。私は、他大学から広島大学大学院に入学してきました。大学進学の際、私は英語教員になることを目標にしていましたが、教職のみではなく英語全般を学びたかったということもあり、教育大学ではなく外国語全般が学べる学部に所属しつつ、教員免許取得も出来る大学へ進学しました。当初は、教員採用試験を受けて、卒業後は教壇に立つと決めており、大学院進学は考えていませんでした。しかし、学部4年次の教育実習を機に、教育学の知識のなさや、大学での教職課程の学習内容の限界などを痛感し、このままでは教壇に立ってはいけないという危機感を覚え、私は大学院進学を考えるようになりました。

私が在籍していた大学では、残念なことに大学院へ進学する学生がほとんどいなかったため、ゼミの指導教官と相談しながら、いくつかの大学院を見学しに行きました。他の人と比べて大学院進学を決めるのが遅く、色々な面で苦労しましたが、実際に研究室の見学をした際に、広島大学の教授や研究生の真摯な対応や学びの姿を見聞きし、ここでなら私が学びたいことが学べると思い、受験することを決めました。

教育に関する知識はほぼ皆無であることは重々承知していたため、入学までに自分が出来る限りの勉強をしていましたが、実際に講義を受けると何も理解出来ませんでした。私の学年は、私以外内部進学生と現職で働いている方が占めていたということもあり、「分からない」ということを聞きたくても聞けず、毎日家に帰っては自身の出来なさに涙する日々が続いていました。学びたい気持ちは、他の院生の誰にも負けていない自信がありましたが、その反面思った通りに出来ないということが一番辛かったです。

このように思っていましが、早いものであっという間に2年経ち、私はまもなく卒業を控えています。ここまでやってこられたのは、先生方をはじめ、先輩方や同期たちの支えがあったからです。先生方は講義で色々な知識を与えてくれるのはもちろん、不安な私に寄り添い、いつもあたたかな言葉をかけて下さいました。特に、指導教官には学習面をはじめ、自身の研究や生活面など、様々な面で相談に乗って下さいました。それに加えて、研究室では、同期や先輩方も同じく親身に相談に乗って下さったり、多面においてアドバイスをして下さったりと、他人を思いやる気持ちでいつも支えていただきました。彼らの姿は私にとっての憧れやロールモデルとなっていました。それに近付くために、自身で出来ることはないか、色々なことを勉強したり、挑戦してみたりするようになりました。

そのおかげで、次第に理解出来ることも増え始め、研究室に来ることが楽しみになりました。有難いことに、2年次には全国英語教育学会をはじめとする学会で、自身の研究について発表する機会をいただきました。また、学会では、発表だけでなく運営側に立つ機会もあり、大学院でしか出来ない貴重な経験を積むことが出来たことを、非常に嬉しく思っています。このように、2年間でたくさんのことを経験してきましたが、今ではすっかり「卒業したくない」という気持ちでいっぱいです。この2年間で、お互いに成長しあえる仲間や、信頼出来る先生方との出会い、この先もずっと大切にしていきたい関係を築くことが出来ました。

勉強や研究、院生同士の関わりなど、大学院生活を振り返ると、始めはやはり辛く苦しいことばかりでした。しかし、周りの院生の支えや、「学びたい」という強い気持ちがあれば、徐々に変化は現れます。私のように、他大学からの進学を考える方は、不安な気持ちでいっぱいで、特に教育学を専攻していない学生にとっては、広島大学大学院への進学は敷居が高く感じると思います。ですが、本当に「学びたい」という気持ちがあるならば、ぜひ広島大学大学院へ進学して欲しいと思います。入学して2年後には、「ここへ来てよかった」と必ず思える大学院です。私が自信を持ってお勧めします。(2019年3月執筆)